IAEA主催のウェブセミナーで講演(放射線物理学部門)

IAEA主催のウェブセミナーで講演(放射線物理学部門) 新着情報

 2019年11月13日午後5時より国際原子力機関(IAEA)が主催するウェブセミナー(Webinar)において、放射線物理学部門の床次眞司教授が「環境中のトロン(220Rn)」に関する講演を行いました。このセミナーはシリーズとして定期的に開催され、今回は世界中から133名の事前参加登録(当日参加者51名)があり、北米からの参加者が多いことが特徴的でした。
 セミナーでは、公衆の肺がんの原因として喫煙に次ぐラドン(222Rn)の同位体のトロンの特性や環境中における挙動、ラドン測定や疫学調査におけるトロンの妨害の可能性について、実測結果を交えながら説明しました。トロンはラドンに比べて半減期が非常に短い(55.6秒)ために測定が難しいこと、空間分布が不均一であることから、屋内ラドンの測定結果に影響を及ぼす可能性が指摘されていましたが、特に欧米ではこれまでトロンの存在に特別な注意を払っていませんでした。床次教授はこれまでにこれらの影響を定量的に評価し、大規模な屋内ラドン調査においてはラドン・トロンの弁別測定の必要性を長年主張してきました。なお、その測定法に関する国際規格を立案し、現在では国際標準となっています(ISO 16641)。



ウェブセミナーの案内(IAEAホームページ掲載)