学部・大学院学生
被ばく医療総合研究所は、弘前大学における放射線被ばく医療に関する基礎研究をさらに推進しつつ、各学部、研究科等における教育の支援を行うほか、全国に存在する原子力関連施設や被ばく医療施設における健康管理や緊急被ばく事故に対応できる専門的人材の育成など、これまでにない取り組みを行っています。
●緊急被ばく医療に関する分野の学問の発展に貢献できる教育者・研究者を育成
(現医療従事者向け教育支援)
原子力規制人材育成事業 「産官学連携による持続可能な実践型放射線防護人材育成プログラム」
弘前大学が所在する青森県には様々なタイプの原子力施設が立地し、保健学系や理工系を中心に関連する企業や青森県庁等へ就職する本学の学部卒業生も多くいます。しかし、これらの学生が放射線防護および原子力規制に関して体系的に学ぶプログラムが整備されておらず、本学の人材育成の体制に課題がありました。そこで、この教育プログラムは、多様なバックグラウンドをもった学生を対象とし、次世代の原子力規制を担う人材の持続的な育成をはかることを目的としています。
本プログラムでは、被ばく医療総合研究所が有する教育研究資源とネットワーク力を活用し、放射線規制および放射線モニタリングに係る課題の解決に資する人材を育成します。
また、本学では令和5年度より所属する学部以外の知識を体系的に学ぶことができる副専攻制度を開始しました。本プログラムと副専攻制度を連携することで、学部の主専攻分野を問わず、放射線災害を含む複合災害を体系的に履修し、専門分野とは異なった視点からの知識や技能を学ぶことが可能となります。
福島イノベーション・コースト構想 「大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤構築事業」
福島イノベーション・コースト構想(東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復するために、新たな産業基盤の構築を目指す国家プロジェクト)の実現に向けた「大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤構築事業」に採択され、浪江町の復興をフォローアップする地域人材育成のための保健・環境・防災教育プログラムを実施しています。
国際放射線防護研修プログラム(International Training Program forRadiological Protection)
弘前大学被ばく医療総合研究所の学術研究を、放射線防護に関する教育に広く展開し人材育成を推進するため、本研究所において研修を希望する国内外の研究者及び学生を対象としたプログラムです。
研修プログラムの対象者は、次の所属する組織等の推薦を得た者であって、次の各号のいずれかに該当する場合としています。
- (1)弘前大学に所属する役職員もしくは学生
- (2)研究所の客員研究員又は研究所研修生
- (3)研究所の連携協定締結機関又は連携協定締結を予定している機関に所属する研究者若しくは学生
- (4)国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関の研修制度により、派遣される場合
研修コース
研修コースの研修領域及び分野
- (1)エントリーコース
放射線防護に関する基礎的な知識の修得 - (2)ベーシックコース
複合領域・・・放射線防護の基礎、平常時モニタリング分野、緊急時対応分野 - (3)アドバンスコース
物理計測・線量評価領域 ・・・ 環境放射線・放射能計測分野、環境放射能・線量評価シミュレーション分野分析化学領域 ・・・ ICP 質量分析計による放射性核種及び重金属元素分析分野、環境試料中の極低濃度放射性核種の放射化学分析分野生物影響評価領域 ・・・ 末梢血を用いた放射線影響評価分野、細胞株を用いた細胞毒性評価分野
○文部科学省原子力研究交流制度
原子力平和利用分野において研究、従事している近隣アジア諸国の研究者を日本の研究機関へ受け入れるとともに、日本の研究機関からアジア諸国へ原子力の専門家を派遣して研究交流を行うもので、昭和60年度から実施されています。 被ばく医療総合研究所では、本制度により海外からの研究者を受け入れています。