主な就職先、学生・卒業生のメッセージ

主な就職先

  • ・北海道科学大学、弘前大学、東北大学、千葉大学、聖マリアンヌ医科大学、タイ・カセサート大学、シンガポール国立大学
  • ・国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構、インドネシア原子力庁
  • ・青森県立中央病院
  • ・キヤノンメディカルシステムズ株式会社

 

学生・卒業生のメッセージ

 私は卒業研究の研究室配属で被ばく医療総合研究所放射線物理学部門(現 計測技術・物理線量評価部門)を希望しました。当初、大学卒業後は病院就職の希望でしたが、実際研究室に入ってみると、実験室や時にはフィールドに出て、放射線計測や環境放射線・放射能の実験をすることを非常に楽しく感じ、学部卒業後に大学院に進学することに決めました。
 大学院入学後も国内だけでなく国際学会にも参加して原子力施設、放射線関連の研究所、放射線機器メーカーの人など、いろいろな分野の人と交流する機会を得て、自分の見聞が広がったと感じています。その後、被ばく医療総合研究所の助教になり、現在は量子科学技術研究開発機構で線量評価の技術開発に携わる仕事についています。
 放射線にかかわる分野では人材不足が叫ばれており、原子力関連の学部学科がなくなっているなかで、保健学科・保健学部で放射線を学ぶ学生には医療者のほかにもメーカー、研究者、放射線管理など非常に幅広い選択肢が存在すると思います。興味があれば、ぜひ被ばく医療総合研究所へ気軽に連絡してみてはどうでしょうか?(大学院生 Y.T.)
 高校生だった頃は特に将来の夢もなく、北海道大学総合理系に進学し、そこから進路を考えようと思っていました。しかし現実はそう甘くなく、センター試験の結果を鑑み、将来の仕事として「良さそうだな~」と思ったのが診療放射線技師でした。そして、進学したのが、それまで存在を知りもしない弘前大学でした。
 入学後は診療放射線技師になるべく、勉強に励み(?)ましたが、どうも臨床系科目よりも「放射線物理学」などの基礎系科目の方に興味がある自分がいました。そんな大学3年の研究室配属の時期に行われた研究所説明会の中で、「弘前大学にこれほど国内外で活躍している先生がいるのか!」と衝撃を受けました。国内外で活躍されている先生の下で放射線物理学や放射線計測学といった基礎系科目に係る研究をしてみたい、そう思って床次研究室を選択しました。
 卒業研究・博士前期課程と3年間在籍した研究室では天然放射性核種や福島第一原発事故由来の人工放射性核種などの測定や研究を通して、「放射線」「放射能」「放射性物質」という基礎の部分をみっちり学び、これらの知識は現職(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構における環境モニタリング)で非常に役立っています。そして現在では、社会人として働きつつ、博士後期課程学生として再び床次研究室に在籍し、研究に励んでいます。(大学院生 R.Y.)
 保健学研究科保健学専攻博士前期課程1年の大学院生です。私は他大学の学部を卒業後、一般企業に就職し、環境中の放射線を測定するためのモニタリング業務や測定技術の開発に数年間携わっていました。就業時には、国内外の学会に参加し、福島第一原子力発電所の事故により被災した方々、漁協組合の方々とのコミュニケーションを通じ、自身の研究で人々の放射線に対する不安を緩和するための助けになりたいと思う気持ちが強くなりました。その際に弘前大学の先生と出会い、意見交換していく中で、先生の研究に対する思いや考え方に触れ、また弘前大学の被ばく医療総合研究所の活動を知り、この機関で勉強し、様々な知識や経験、技術を身に着けたいと思い、進学を決断しました。
 現在は自身の研究計画を立て実験を行うとともに、放射線に関連する授業を受講、ゼミやセミナー等に参加し、様々な分野の研究、異なる考え方や視点に触れることで着実に知識や経験が増えていると思います。また外国人留学生等の方々とコミュニケーションをとる機会も多いため、語学の勉強にもなっており、充実した毎日を過ごしています。
 卒業後は、環境放射能に関する調査研究を行うことができる機関で職に就き、自身の研究を進め、福島の事故に対する不安や放射線に対し、漠然とした不安を抱えている国民の支えになるべく研究を通して自ら発信し、社会貢献していくことを目標としています。(大学院生 H.K.)
 私がこの研究室を選んだのは、自分が1年間楽しく研究できると思える研究テーマがあり、研究設備も整っていたからです。人材育成事業に参加した時から研究所の人と関わり、とても研究しやすい環境であることがわかりました。研究所には世界的に活躍されている先生がたくさんいます。所属して2ヶ月余りですが学会やゼミに参加することで幅広い知識を得ることができると実感しています。計測系の研究室を選んだのは自分が苦手とする分野だったからです。実際に機器を使ってみれば理解も深まると思い研究室を選びました。
 また、私は現在大学院進学のため動いています。私は元々臨床系に興味があり、大学を卒業後は就職を考えていました。就職を考えた上で、大学にいるうちにいろんなことを学びたいと思い、一年のころから研究室に通わせてもらっていました。そして先生方と話していると、病院就職というものはそのまま行けば普通にできるものだなと感じはじめました。今の自分のポテンシャルで何か継続していくことはできないかと考えたときに、大学院進学を決意しました。病院就職したいか、一度は企業に勤めてみたいかはまだ決められていませんが、2年後の自分にはより選択肢が増えているはずだと、突き進んでいます。(学部学生 A.S.)
国立大学法人弘前大学 被ばく医療総合研究所