事業概要

設置の目的

 弘前大学における放射線被ばく医療に関する基礎研究をさらに推進しつつ、各学部、研究科等における教育の支援を行うほか、全国に存在する原子力関連施設や被ばく医療施設における健康管理や緊急被ばく事故に対応できる専門的人材の育成など、これまでにない取り組みを行うことを目的として設置されました。

事業概要

 被ばく医療総合研究所は、計測技術・物理線量評価部門、リスク解析・生物線量評価部門、放射化学・生態影響評価部門、国際連携・共同研究推進部門、被ばく医療学部門の5部門から構成され、放射線(能)計測技術の開発や線量評価法の高度化および標準化、放射性核種の環境動態、難分析放射性核種の新規化学的手法の開発、染色体異常を用いた線量評価や発がんのメカニズム並びにリスク評価、放射線防護剤の開発などについて基礎研究を行っています。
 弘前大学は、平成27年8月に原子力規制委員会から高度被ばく医療支援センターと原子力災害医療・総合支援センターの二つの支援センターに指定され、本研究所は平時及び緊急時における高度被ばく医療に関する業務の一翼を担っています。
 また、平成31年度から筑波大学アイソトープ環境動態研究センターらとともに文部科学省より共同利用・共同研究拠点(拠点名:放射能環境動態・影響評価ネットワーク共同研究拠点)に認定されました。今後は放射性物質の環境動態研究の国際的な中核拠点の形成を目指して参ります。

被ばく医療・放射線研究に関する連携協定・覚書締結機関

  • ・韓国原子力医学院緊急被ばく医療センター(韓国) 2013年1月
  • ・パンノニア大学(ハンガリー) 2013年3月
  • ・延辺大学長白山生物資源・機能分子教育部重点実験室(中国) 2013年6月
  • ・ベトナム原子力研究所原子力科学技術研究所(ベトナム) 2013年11月
  • ・衡陽師範学院物理・電子情報科学系(中国) 2014年11月
  • ・フィリピン原子力研究所(フィリピン) 2015年6月
  • ・中国輻射防護研究所(中国) 2016年5月
  • ・チェンマイ大学保健医療学部(タイ) 2016年5月
  • ・東南圏原子力医学院(韓国) 2016年6月
  • ・チェンマイ大学医学部(タイ) 2017年1月
  • ・福島大学環境放射能研究所(日本) 2017年12月
  • ・蘇州大学放射線医学・防護学部(中国) 2018年5月
  • ・カセサート大学理学部(タイ) 2018年10月
  • ・バングラデシュ原子力委員会ダッカ原子力センター(バングラデシュ) 2018年10月
  • ・チュラロンコン大学工学部(タイ) 2018年12月
  • ・中国復旦大学放射医学研究所(中国) 2019年3月
  • ・マンガロール大学 環境放射能総合研究センター(インド) 2019年8月
  • ・ストラスブール大学 物理工学部(フランス) 2019年10月
  • ・東華理工大学原子力応用技術研究所(中国)2020年9月
  • ・カセサート大学理学部(タイ) 2022年12月
  • ・ディポネゴロ大学医学部(インドネシア) 2023年3月

SDGsに関する取り組み

持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であり、17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。被ばく医療総合研究所では教育および研究活動においてSDGs達成を目標とした取り組みを推進していきます。

国立大学法人弘前大学 被ばく医療総合研究所