放射線生物学部門では6月10日~15日の6日間、シンガポール国立大学(National University of Singapore: NUS)からDr. Tang Feng Ru教授、Ms. Chew Zi Huai氏、Ms. Renu Chandra Segara氏の3名を受け入れ、生物学的線量評価法に関する技術指導(末梢血リンパ球細胞の単離および染色体標本作成法、ギムザ染色、FISH解析、CBMN法)を行いました。技術指導には、現在、タイのチュラロンコン大学からの研修生3名も1日のみ参加しました。
また、この研修期間中、放射線生物学部門とNUSそれぞれで行われている研究内容を紹介し、その情報を基に共同研究の打ち合わせを行いました。当部門は、放射線照射後に培養細胞やマウス血中内に放出されるエクソソームとバイスタンダー効果について紹介し、NUSのMs. Zi Huai氏からは、低線量放射線を照射した際のエクソソーム中に含まれるmiRNAに関する最新の知見についての紹介がありました。また、Dr. Tang Feng Ru教授は、低線量の放射線被ばくが脳組織の発達に及ぼす影響研究の紹介を行いました。
その後の共同研究打合せでは、福島県の野生動物サンプルの共同利用、共同研究の方向性について討議しました。 新たな展開については、今後、逐次報告していきたいと思います。