放射線物理学部門の床次眞司教授は3月29日にインドネシア・ジャカルタにあるインドネシア原子力庁(BATAN)を訪問しました。本学とBATANは、2018年に大学間協定を締結し、現在我々はBATANの研究者らとインドネシア・スラウェシ島で発見された高自然放射線地域において環境中放射線や放射能の調査を実施しています。今回、これまでの調査結果と今後の調査計画を両機関で議論するためにセミナーが開催され、床次教授のほか、保健学研究科より柏倉幾郎副学長、細田正洋講師(放射線物理学部門兼任)、山口平助教も同行し、それぞれ講演を行いました。細田講師は、放射線物理学部門が中心となって取得した環境放射線レベルの分布や屋内ラドンの調査結果とともに、それらのデータの品質を保証するためのラドンやトロンのばく露施設について紹介、柏倉副学長は低線量率・慢性被ばくによる放射線影響に関する共同研究の計画案について、研究結果の紹介を含めて講演しました。また、山口助教は放射線防護剤に関する自身が行っている研究成果について紹介しました。さらに、最近、国際放射線防護委員会が発表した新しいラドンの線量換算係数について床次教授が詳しく解説しました。20分ずつの講演を行い、その後、活発な議論が行われました。セミナー後は、調査に直接関係している研究者間で具体的な今後の調査計画を話し合いました。
新たな展開については、今後、逐次報告していきたいと思います。