イタリアの新技術・エネルギー・持続的経済開発機構(ENEA)を訪問

イタリアの新技術・エネルギー・持続的経済開発機構(ENEA)を訪問 新着情報

 放射線物理学部門の床次眞司教授らは、イタリア・ローマ中心部から車で1時間程度にある新技術・エネルギー・持続的経済開発機構(ENEA)の電離性放射線計量研究所(National Institute of Ionizing Radiation Metrology)を2月21日に訪問しました。事前に訪問申請をし、ゲートに到着後、パスポート提示やPCのチェックを受けた後、研究所内に立ち入ることができました。訪問先ではFrancesco Cardellini博士が研究施設を案内してくれ、同博士が中心的に行っているラドンやその放射性同位体であるトロンの放射能標準についての研究紹介を受けました。電離性放射線計量研究所では独自にラドンやトロンの較正場を開発し、較正事業を行っています。我々も独自にラドンやトロンの較正場を構築していることから、共通する研究内容も多くあり、大変有意義な議論ができました。
 その後、原子力災害やテロ対応の研究グループを訪問しました。イタリアでは2つの研究用原子炉が稼働していることから、ここでは有事に備えて可搬型の高純度Ge半導体を用いた全身計測や甲状腺モニタリングの手法開発を行っています。また、環境中に放出された様々な放射性核種を分析するための機器などが整備されていました。さらに、事故直後に半径5 km以内の放射線量や放射性核種分析をするためのモニタリングカーも整備されていました。
 訪問した電離性放射線計量研究所では、我々の研究対象と共通している部分が非常に多く、今後の共同研究への発展に向けて、引き続き情報共有をしていきたいと考えております。


電離性放射線計量研究所訪問の様子。中央が今回対応してくれたFrancesco Cardellini博士。




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