放射線物理学部門の床次眞司教授は、柏倉幾郎副学長、杉原かおり国際連携本部長とともにイタリア・ローマにある国立労働災害保険研究所(National Institute of Insurance Against Accidents at Work: INAIL)を2月20日に訪問しました。床次教授と以前より親交のあったRosabianca Trevisi博士との共同研究の可能性についての打ち合わせとセミナーでの講演がこの訪問の目的でした。研究所は、ローマの中心部から電車で20分程度移動し、さらに車で40分程度のローマ郊外にあります。セミナーに先立ち、INAILの研究施設を見学し、さらに、ラドンに関する研究室だけでなく、環境中の雑音低減技術の開発を行っている研究室も見学しました。
9時30分から講堂において「ラドン測定、研究、方法や検出器に関するセミナー」が開催されました。セミナーに先駆け、所長から研究所の概要紹介がありました。その後、床次教授が「我々のラドン研究の歴史と新しいラドン線量評価への取組み」に関する講演を40分程度行い、活発な質疑が行われました。その後、床次教授とも古くから親交のあるLuigi Tommasino博士(環境保護庁OB)による職場環境でのラドン計測について、特に測定手法に主眼を置いた講演が行われました。Tommasino博士は、ラドン計測においては国際的にも著名な研究者の一人で、再び親交を深めることができました。
セミナーでの講演の様子
講演終了後のTommasino博士との談笑の一枚。床次教授の手にあるのはTommasino博士が開発した環境中のトロン(ラドンの放射性同位体)検出器で、ピノキオをイメージして作られたものである。