高線量放射線被ばく個体に対する国内承認薬の障害軽減作用に関する研究成果が「Scientific Reports」誌に掲載(被ばく医療学部門)

高線量放射線被ばく個体に対する国内承認薬の障害軽減作用に関する研究成果が「Scientific Reports」誌に掲載(被ばく医療学部門) 新着情報

 被ばく医療学部門・柏倉幾郎教授の研究チームの成果が英国科学誌「Scientific Reports」に掲載された(7月13日)。本報告では、致死線量(7~8 Gy)の放射線照射マウスに、特発性血小板減少性紫斑病治療薬であるトロンボポエチン受容体作動薬ロミプロスチム(RP)を3 ~ 5日間腹腔内投与すると、30日目までの全個体死亡を生存率100%に改善する作用を見出し(特許第6150374号 平成29年6月2日登録)、併せて経時的な骨髄細胞中の各分化段階や成熟した細胞の変動や細胞死、さらには腸管死を軽減、回復させる作用を報告している。現在、RPの作用機序解明と共に被ばく事故時等への応用について取組んでいる。

【掲載論文】
Masaru Yamaguchi, Tokuhisa Hirouchi, Koki Yokoyama, Ayaka Nishiyama, Sho Murakami, and Ikuo Kashiwakura. The thrombopoietin mimetic romiplostim leads to the complete rescue of mice exposed to lethal ionizing radiation.
Scientific Reports, (2018) 8:10659 | DOI:10.1038/s41598-018-29013-5

なお、この論文は以下のURLからダウンロードできます。
https://www.nature.com/articles/s41598-018-29013-5