日本科学未来館は、2018年3月10日(土)に消費者庁と共催でシンポジウム「原発事故から7年、放射能汚染の現状はどこまで改善したのか」を開催しました。定員いっぱいの一般の方々の参加があり、未来館ホールのみならずサテライト会場にも映像を映し出してシンポジウムが行われました。
事故から7年。放射性物質は放射線を出しながら減ってきています。また、除染や気象現象などさまざまな要因によって放射性物質は移動し、陸、海、空における放射性物質の状況は大きく変化しました。しかし、それらの情報は人々にあまり伝わっていません。
放射線化学部門の山田正俊教授はトークセッションにおいて、日本科学未来館の科学コミュニケーターとともに「海に流れ出した放射性物質はどこに行ったのか?」について話をしました。第2部のポスター形式の個別トークセッションでは、一般の方々と対話しながら意見交換を行いました。第3部のパネルディスカッションでは、質問やコメントをもとに参加者を交えてディスカッションを行いました。残された未解決の問題と今後も見張り続けていかなければならない事柄について参加者全員で考えるよい機会になりました。
トークセッションでは、「大気への放出と飛散実態はどこまで解明されたのか?」(JAXA 中嶋映至)、「陸はまだ汚染されているのか?」(筑波大 恩田裕一)、「農業は復興できたのか?」(農研機構 信濃卓郎)の講演も行われました。