放射線化学部門の山田正俊教授と量研機構放医研、米国サバンナリバー国立研究所との共同研究の成果が英国科学誌「Scientific Reports」に掲載されました(国際共著論文)。
本研究では、福島原発事故の影響を評価するために、共沈殿、抽出クロマトグラフィ、二重収束型誘導結合プラズマ質量分析法(SF-ICP-MS)などを駆使し、海水中のプルトニウム同位体の新たな迅速分析法を開発しました。これにより12時間でプルトニウム同位体の分析が可能となりました。この方法を用いて西部北太平洋から採取した海水を分析した結果、事故由来のプルトニウム同位体の有意の増加は検出されませんでした。
[掲載論文]
Wu Men, Jian Zheng, Hai Wang, Youyi Ni, Tatsuo Aono, Sherrod L. Maxwell, Keiko Tagami, Shigeo Uchida and Masatoshi Yamada:
Establishing rapid analysis of Pu isotopes in seawater to study the impact of Fukushima nuclear accident in the Northwest Pacific.
Scientific Reports, 8, 1892 (2018) DOI:10.1038/s41598-018-20151-4
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