国際共同研究により加速器質量分析装置を用いて海水中のPu-241を定量(放射線化学部門)

国際共同研究により加速器質量分析装置を用いて海水中のPu-241を定量(放射線化学部門) 新着情報

 放射線化学部門・山田正俊教授らの研究チームは、ミュンヘン工科大学、ウィーン大学との国際共同研究により、加速器質量分析法(Accelerator Mass Spectrometry: AMS)を用いて、Pu-239(半減期:2.411×104年;α線放出核種)とPu-240(半減期:6.564×103年;α線放出核種)に加えて、これまでほとんどデータのなかった海水中のPu-241(半減期:14.325年;β線放出核種)の分析に成功しました。北太平洋における海水中のPu-241/Pu-239同位体比の結果から、東京電力福島第一原子力発電所事故による海洋でのプルトニウム同位体の有意の汚染は検出されませんでした【国際共著論文】。
 
本研究成果は、下記の『Environmental Science and Technology』誌に発表しました。
Karin Hain, Thomas Faestermann, Leticia Fimiani, Robin Golser, Jose Manuel Gomez-Guzman, Gunther Korschinek, Florian Kortmann, Christoph Lierse von Gostomski, Peter Ludwig, Peter Steier, Hirofumi Tazoe and Masatoshi Yamada: Plutonium isotopes (239-241Pu) dissolved in Pacific Ocean waters detected by AMS: no effects of the Fukushima Accident observed. Environmental Science and Technology, 51, 2031-2037. (2017) DOI: 10.1021/acs.est.6b05605

国際共同研究により加速器質量分析装置を用いて海水中のPu-241を定量