簡便なマウス肝臓由来初代培養細胞の作製法を開発(放射線生物学部門)

簡便なマウス肝臓由来初代培養細胞の作製法を開発(放射線生物学部門) 新着情報

 放射線生物学部門・有吉健太郎助教らの研究チームは,灌流法を用いずにマウスの肝細胞から初代培養細胞を簡便に作成する方法を開発し、In Vitro Cellular & Developmental Biology – Animal誌に発表しました。
 これまで、肝臓から初代培養細胞を作成する際、灌流法をもちいて初代培養を作製する方法が一般的でしたが、灌流を行うためには高度な解剖技術と知識が求められるため、非常に難易度の高い方法でした。今回の新たな方法では、灌流法を用いず、細断した肝臓をコラゲナーゼ処理し、その後骨髄細胞と共培養、あるいは骨髄細胞を培養した培養液を肝細胞培養液に加えることで、効率良く初代培養の肝細胞を作製することが可能となりました。
 同様の方法で、他の臓器やがん組織の初代培養細胞も作製可能であることから、放射線の個体影響、特に各臓器への影響解析を行う上で非常に有用な方法であると考えられます。

http://link.springer.com/article/10.1007/s11626-017-0132-7?wt_mc=Internal.Event.1.SEM.ArticleAuthorOnlineFirst