第17回被ばく医療総合研究所セミナー(2月16日開催)

第17回被ばく医療総合研究所セミナー(2月16日開催) 新着情報

 被ばく医療総合研究所では第17回定期セミナーを下記のとおり開催します。第17回となる今回は、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所 放射線影響研究部長 柿沼志津子先生を講師に お招きします。
 事前申込みは不要ですので、この機会にぜひご参加ください。


【日 時】 平成29年2月16日(木)16時~17時
【場 所】 保健学研究科E棟5階 第51講義室
【演 者】 放射線影響研究部長 柿沼 志津子
【所 属】 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
放射線医学総合研究所
【演 題】 発がん物質の暴露によって傷を受けたDNAの多くは修復酵素によって修復され、修復できなかった細胞はアポトーシスなどの機構で除去される。しかし、傷を受けたDNAが誤って修復され、がん関連遺伝子の機能を変化させるような変異が生じると、がんを発症する可能性が出てくる。言い換えれば、がんで見られる原因遺伝子のゲノム変異は、発がん物質に暴露されたDNAに生じた傷のタイプや傷の修復メカニズムを反映していると推測される。
当研究グループでは、放射線誘発がんのゲノム解析を行うことで、放射線被ばく特有の傷跡を探索してきた。今回は、野生型マウス(B6C3F1)に放射線被ばくで特異的に見られるTリンパ腫やがん抑制遺伝子Ptch1ヘテロ欠損マウスの髄芽腫のゲノム変異解析の結果を中心に放射線誘発がんにおけるゲノム変異を紹介し、放射線被ばく後の発がんメカニズムについて考察する。