3月18日(火)、日本学術振興会短期S研究者(ノーベル賞級の国際的な賞の受賞者など、特段に優れた業績をもち、当該分野で現在も指導的立場にある外国人研究者)として来日中の米国ウッズホール海洋研究所海洋環境放射能センター長 ケン・ブェッセラー博士を講師に迎え、医学部コミュニケーションセンターにて特別講演会を開催しました。
「福島第一発電所事故により放出された放射性物質の海洋への影響」をテーマとした英語での特別講演会には、大学生・教職員、一般市民等併せて約50名が参加しました。講演の中でブェッセラー博士は、福島原発事故直後から行っている日本との国際共同研究チームによる福島沖での海洋調査について、放射性セシウムは河川と原子力発電所の放射性物質の漏洩により供給されているので沿岸の堆積物は数十年汚染されたままとなるかもしれないこと、海流によって運ばれる放射性セシウムは今年中にアメリカの西海岸沖で検出されることが予想されるが健康リスクは低いと考えられること、今後、海洋における放射性セシウムおよび放出された放射性核種の動態に関する更なる研究と適切なモニタリングが多くの問題を明らかにする手助けとなると語りました。
また、翌19日には同伴の夫人と佐藤敬学長を訪問し、初代の被ばく医療総合研究所長であった佐藤敬学長に、自身の活動・研究内容と福島沖の現状等を紹介、親交を深めました。