放射線化学部門の楊国勝研究機関研究員らの研究チームの研究成果が英国科学誌「Scientific Reports」に掲載されました。
本研究では、トリプル四重極誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-QQQ)を用いて、福島県内から採取した60の土壌試料中のI-127濃度(0.121-23.6 mg/kg)、I-129濃度(0.962-275 mBq/kg)及びI-129/I-127比((0.215-79.3)×10-7))を分析し、I-131の分布を再現しました。また、Cs-135、U-236、Pu-239、 Pu-240の結果とともに解析して、福島第一原子力発電所事故により環境中に放出された放射性核種の中でCs-135とI-129が比較的よい相関があり、データのほとんどないCs-135を放射性ヨウ素から大まかに推定できることを明らかにしました。
[掲載論文]
Guosheng Yang, Hirofumi Tazoe & Masatoshi Yamada:
Can 129I track 135Cs, 236U, 239Pu, and 240Pu apart from 131I in soil samples from Fukushima Prefecture, Japan?
Scientific Reports, 7, 15369. DOI:10.1038/s41598-017-15714-w (2017)
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