カザフスタンで環境放射線調査と講演を行いました

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患者情報を収集するため、現地の病院を訪問した時の写真
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 計測技術・物理線量評価部門の大森康孝准教授は、国際共同研究加速基金(海外連携研究)の支援(課題番号23KK0095)を受けて、共同研究機関であるアスタナ医科大学とともにカザフスタンの環境放射線調査と疫学調査を行っています。2025年8月19日から23日まで、国際連携・共同研究推進部門のChutima Kranrod准教授、大学院保健学研究科の工藤ひろみ助教(被ばく医療学部門助教(兼任))、Radhia Pradana大学院生とともアクス村を訪問しました。同村では、ラドンによる内部被ばくを精緻に評価するため、ラドン子孫核種の粒径分布を初めて測定しました。さらに、ラドンにによる内部被ばくと肺がん罹患の関係を明らかにするため、肺がん患者と健常者の家屋を訪問し、アンケート調査と積算型ラドン濃度測定器の設置を行いました。
 また、8月25日には、カザフスタンのラドンの規制を担う保健省・Sadvakassov Nurkan Olzhabaevich副長官と原子力庁・Timur Zhantikin副長官を訪問し、これまでの調査で得られた建物の高ラドン濃度化の要因を報告し、ラドン濃度の低減化に向けた新たなプロジェクト構想について意見を交わしました。
 8月27日から28日にはセメイ市を訪問し、セメイ医科大学で開催されたXVII International Scientific – Practical Conference Named After B. Atchabarov “Ecology, Radiation, and Health”に出席しました。これは、2025年6月の同大学の訪問時に国際会議出席の招待を受けたことによるものです。本会議では、大森准教授がカザフスタンでの国際共同研究の成果に関する講演を行い、聴衆からは、ラドン濃度の測定結果から予測される肺がんリスクの増加割合に関する質問が寄せられました。国際会議の様子はセメイテレビでも放映され、現地での関心の高さがうかがえました。

ラドン子孫核種粒径分布測定の様子

患者情報を収集するため、現地の病院を訪問した時の写真

保健省・Sadvakassov Nurkan Olzhabaevich副長官との意見交換

国際会議での講演の様子

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