被ばく医療総合研究所では、本年度より環境省の放射線健康管理・健康不安対策事業として「福島県民の放射線被ばくに対する理解向上を目指した自然及び人工放射線からの公衆被ばく線量調査」(主任研究者:床次眞司所長)を実施しております。同所では、浪江町をはじめとする浜通り地域の自治体や関連大学と連携し、住民自身が安全か否かを判断し、安心した生活を送るための情報を提供するために現地でさまざまな調査を進めてきました。
本研究では、弘前大学が浜通り地域において自治体や他機関と連携して実施してきた自然放射線計測及び線量評価を、県内医療機関に勤務する診療放射線技師の協力を得て、中通り地域や会津地域まで展開を広げるものです。そして、自然放射線量を一つの“ものさし”として事故由来の被ばくの影響を説明するための実測ベースの資料を作成します。
7月20日に公益財団法人福島県診療放射線技師会が郡山市内で開催した福島県放射線管理士セミナーにおいて、国際連携・共同研究推進部門の兼任教員である細田正洋教授(保健学研究科)が本事業の意義を説明するとともに調査協力を行いました。
参加したセミナーでは、令和6年能登半島地震の際の対応報告や自然災害に関連した原子力災害対応に関する講演も行われました。参加者からは本環境省事業の重要性について理解が得られ、今後詳細について検討を進めていくことになりました。
貴重な機会を頂きました公益財団法人福島県診療放射線技師会の新里昌一会長を初めセミナー運営委員の皆様に感謝いたします。
福島県放射線管理士セミナーで講演を行いました。
3:すべての人に健康と福祉を, 4:質の高い教育をみんなに