弘前大学は平成20年から継続して「被ばく医療体制」の整備に取り組み,平成27年には原子力規制委員会から「原子力災害医療・総合支援センター」及び「高度被ばく医療支援センター」の指定も受け,様々な支援活動や多くの人材輩出を行ってきました。
さらに,令和元年からは両センターも含めた学内の被ばく医療に関する各種事業を推進する「被ばく医療連携推進機構」を中心に,関連する教育研究,人材育成,地域貢献や国際連携に取り組んでまいりました。
この度,原子力関連施設を擁する青森県の地域性や,弘前大学がこれまでの被ばく医療活動で培った人的・知的資源や国内外のネットワークを活用し,「災害医療」等の専門家を加えた体制で,様々な災害下における被ばく医療活動を支える人材育成を目的に,機構内に新たに「災害・被ばく医療教育センター」を設置することとなりました。災害・被ばく医療教育センターの活動方針は,以下の5つです。
1.災害時の医療体制構築と支援
2.各種防災訓練への関与
3.医学系学生・現職医療従事者への災害医療教育
4.大学生に対する防災教育
5.災害対応医療従事者の養成
なお,主な取組の一つとして,令和5年度に,原子力災害対応も含む地域の災害軽減に積極的に取り組む人材の育成を目的とした「防災士※」資格取得の受験資格につながる科目を全学部生向けに開講し,本学医学研究科,理工学研究科,被ばく医療総合研究所等の各所属教員と弘前市,弘前地区消防事務組合消防本部,青森地方気象台及び青森県防災士会の各専門家が担当となって講義をする予定です。さらに,将来的には地域の高校生や社会人にも開講する予定です。なお,同センターを中心とした人材育成事業については,文部科学省からも支援を受けて実施するものです。
※「防災士」…社会の様々な場で防災力を高める活動が期待され,そのための十分な意識と一定の知識・技能を修得した者を日本防災士機構が認証した資格。
設置の経緯を説明する柏倉機構長 | 概要を説明する伊藤教授 |
事業内容を説明する辻口助教 |
記者質問への対応の様子 |