計測技術・物理線量評価部門の床次眞司教授は、チェンマイ大学医学部のグループと、タイ北部におけるラドンによる被ばくと肺がん発生リスクの因果関係について、Nature関連誌であるScientific Reportsにその研究成果を発表しました。
タイ北部は肺がんの多発地帯として知られており、今回の疫学調査により、天然放射性物質であるラドンによる内部被ばくが同地域において肺がんを引き起こすことが明らかとなりました。調査対象地域において線量を評価した場合、年間実効線量が0.44〜12.18 ミリシーベルトの範囲にあり、比較的低い線量でもラドン濃度と肺がんの発生リスクに有意な関係が見られました。この地域は森林火災などによる大気汚染物質が社会的問題となっており、その影響も含まれる可能性が否定できず、さらなる研究が求められます。
論文は以下のサイトからダウンロードできます。
https://www.nature.com/articles/s41598-022-09122-y