中国北京に所在する輻射防護研究所との包括連携協定に基づいて、2016年10月22日から10月25日にかけて、被ばく医療総合研究所床次眞司教授が輻射防護研究所及び河南省職業病防治研究院を訪問しました。中国では、治療に用いる放射性ヨウ素131による医療従事者の内部被ばくの可能性が指摘されており、放射性ヨウ素による甲状腺被ばくの線量評価手法について、福島原発事故での経験に基づいて意見交換や講演を行いました。さらに現地では、実際に当日放射性ヨウ素を扱った従事者の協力を得て、NaIシンチレーションスペクトロメータを用いた放射性ヨウ素のガンマ線スペクトル測定を予備的に行いました。そこでは、作業中にヨウ素のガス成分が従事者の体内に取り込まれている可能性を示唆する結果が得られました。今後さらに連携を深めて、被ばくの実態把握と防護手法の確立について情報を共有しながら進めて行くことにしました。